再び投資環境の活性化でしょうか。住友金属工業がインドで高炉からの一貫製鉄所を合弁で建設する方向で検討に入り、総投資額は2000億から3000億円というから、現在のご時勢から考えると結構な投資額です。
さらに、日本の鉄鋼大手の会社がインドで高炉を建設するのは初めてのケースであり、インドでも足元の鉄鋼需要は頭打ちだが、今後の社会インフラや自動車向けの成長を見込んで大型の投資に踏み切るようです。
この投資案件ですが、インドニューデリーの中堅鉄鋼メーカー、ブーシャンとの合弁会社にブーシャンが過半を、住友金属工業が3分の1程度を各々で出資する方向のようです。
今後、事業化の成否を見極めるための現地調査やインド当局との調整に入るようですが、もし実現すれば建設地はインドの鉄鋼生産量の約5%に相当する年300万トン前後の生産能力を持つ製鉄所となるようですからインド市場に与える影響も少なからずといったところでしょう。
住友金属工業とブーシャンは1997年から提携関係にありましたが、これまでは住友金属工業が日本から供給する半製品をブーシャンが鋼板に圧延し、日系自動車メーカーなどに供給している形でしたが、ブーシャンは今回の提携とは別に住友金属工業の技術協力を受け、東部のオリッサ州でも高炉建設に着手しました。
インドの現在の粗鋼生産量は約5500万トンで、2000年からほぼ倍増しており、自動車用鋼板などを使うスズキやホンダなど日系自動車大手が能力増強計画を打ち出しています。
住友金属工業のみならず、少子化問題で日本市場の成長が見込めない中、成長が期待できる新興国にどんどん進出する動きは一段と加速しそうですね。
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