2009年5月7日木曜日

トヨタの真骨頂は発揮できるのか?

 カンバン方式などトヨタの生産方式やコストマネジメントの手法は「乾いたぞうきんを絞る」と揶揄されるほど厳しくて有名ですが、北米の自動車販売が極端に鈍る中、トヨタのコスト削減の真骨頂が問われ、王者の座に居座れるかどうかの分かれ目に来ているようです。



 トヨタへ対する市場の目が厳しい背景には、世界金融恐慌後に来て現れたトヨタ独自のコスト構造が挙げられるようです。というのもトヨタが前期に見込んだ車両販売台数は732万台であり、その固定費の水準が高止まりしていることに問題の根源があるようです。



 トヨタはこれまで、スバルで有名な富士重工業1社分にあたる生産規模50万台程度を増やすため、日本や北米にとどまらず、全世界で生産設備を大きく強化してきたのです。結果として、設備投資などの減価償却費や従業員数などの固定費用も大幅にアップしました。



 そこで来て、最悪のタイミングで世界金融恐慌に直撃され、設備稼働率の急降下を招いたため、結果としてトヨタの世界販売台数は生産能力の7割を下回る水準となってしまったという訳です。



 ちなみにホンダの同水準は8割近くであり、ハイブリッドでもライバルであるホンダの健闘が目立つ結果となり、「世界最強の製造業」と呼ばれたかつてのトヨタの面目が立たなくなってしまったのです。



今後の復活については、早期の連結営業利益の黒字化が望まれるところですが、一般的な見通しでは2010年3月期もトヨタは連結営業赤字が続くとの見方が大勢を占めており、今後のコスト削減によりトヨタの真骨頂が問われるところでしょう。

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